134: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/04(木) 03:04:52.73 ID:zpMoHYvIo
『……ふう』
俺は息をついた。プロダクションの隣、駐車場に車を止めて、その隣で缶コーヒーを片手に、待っていた。
しばらくすると、彼女が出てきた。後ろには、数人のプロデューサーと社長、そしてちひろさんが見送りにきている。そうして、ぱたぱたと彼女がこちらへと駆けてくる。
「お待たせしましたっ、Pさんっ」
『いや、大丈夫だ、茄子さん。今着たばかりだ』
そういって、俺は嘘をついた。本当は、かれこれ一時間ほど待っていた。だが、そんなことを言う必要はない。
「ふふっ、知ってますよ、Pさん?」
『……何がだ?』
「一時間も、ずっと待っててくれたんですよね?」
『……何のことかな』
とぼける俺だったが、内心すこし恥ずかしかった。ちくしょうめ、誰か茄子さんにばらしやがったな。
彼女は照れたように笑うと、ぎゅっと俺に抱きついてくる。大胆になったものだ。いや、肝っ玉はずっと据わっていたとは思うが。
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