144: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/04(木) 03:10:46.62 ID:zpMoHYvIo
「だったら、その、キス、とか……、いっ、いえっ、なんでもないですよっ!」
ぷっつん。自分の中で張りつめていた何かが、切れた気がした。駄目だ、抑えられない。彼女への愛しさが、止まらない。気付けば、俺は茄子に言っていた。
『目を閉じてくれ、茄子』
「えっ、あの」
『いいから』
「……はいっ」
気体と不安が入り混じった声で、茄子は言い、彼女の琥珀色の瞳が、瞼で隠される。まだ少し残っていた涙が、つつう、と目の淵から流れた。
それを、俺は親指で拭い、少しずつ顔を近づけていく。二十センチ。十五センチ。十センチ。五センチ。三センチ。二センチ。一センチ――。
そして、俺も目を閉じる。
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