24: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/15(土) 00:55:06.13 ID:MBAzp3vzo
『後でPさんに返しておきましょう♪』
一人で呟くと、本当に何気なく私はそれを開きます。ちょっとした好奇心でした。
Pさんのことをもっと知りたい、と思ったのかもしれません。いつも、私のことを大事にしてくれているPさん。いつも私のために走り回ってくれているPさん。
でもどこか、私から一歩下がって、ほんの少しだけ距離を置いているPさん。まるで、必要以上に親しくならないように。
『これは……Pさんですね』
そこには、Pさんの名刺が何枚かと、一枚の写真がありました。今のPさんと比べると、ほんの少し若いPさんが、初老の男性と一人の女性と一緒に写っている写真。
『綺麗な人……』
その三つ編みの女性は、とても綺麗な人でした。そして何より、笑顔が眩しくて。思わず見とれてしまいます。その隣にいるPさんも、とても楽しそうな笑顔を浮かべていました。
その瞬間、ほんの少しだけ、胸が痛みました。そして、それが嫉妬であることに気づいて、少しだけ赤面します。
それでも、私には一度も、この笑顔を見せてくれたことはありません。それがなんだか悔しくて、悲しくて、羨ましくて。
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