64: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/23(日) 01:25:59.36 ID:VUQNs9y0o
ふと、気が付いた。ゆっくりと、石段を登ってくる人影がある。
(珍しいな、こんな寂れた神社に。そういえば、あの日もそうだったな)
少し、懐かしい気分になった。その人影はゆっくりと石段を登りきって、そして参道へと足を踏み入れる。
65: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/23(日) 01:26:53.39 ID:VUQNs9y0o
今回は以上です。次はたぶん長くなると思うので、日が空くかなーと思ったりします。
来週半ばには投下したいところですね。
66:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/23(日) 01:32:19.40 ID:CQTP67xq0
乙
67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/23(日) 01:37:19.45 ID:qo4Izzgn0
このモバP馬鹿だなぁ(←褒め言葉)寄り道なんて余計な真似するから……良いぞその調子
68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/23(日) 02:14:08.83 ID:HMvyJpjJo
乙
69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/23(日) 07:53:13.92 ID:MzQQmjXnO
乙
70: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 02:58:43.48 ID:v8bhYI//o
完全な沈黙が、神社を支配した。聞こえるのは、梢が触れ合う音と、風が通り抜ける音。俺は、掛ける言葉一つ見つからず、呆然としたまま彼女を見つめ続ける。そして、彼女もその琥珀色の瞳で、俺を見つめ返す。
まるで、その瞳が俺に言っているような気がした。”見つけた”と。
『……な、んでここに?』
71: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 02:59:11.06 ID:v8bhYI//o
『……なんのことかな、茄子さん?』
「事務所、畳んじゃったって聞きましたよー? 社長さんから教えてもらいましたっ」
『はは、シンデレラガールズの社長には伝えなかったはずなんだがなぁ……』
72: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 03:00:01.03 ID:v8bhYI//o
「今、幸せですかー?」
その言葉に一瞬、言葉が詰まる。俺は確かに、自分勝手な目的を果たしつつある。ただ、幸せかと言われれば――。
『幸せでは、ないね』
73: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 03:00:38.94 ID:v8bhYI//o
(馬鹿な、いまさら何を取り返すってんだ)
自分の勘にそう反論しても、それは答えてくれることはない。ただ、警鐘を発し続けるだけだ。
「Pさんは」
74: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 03:01:30.91 ID:v8bhYI//o
ふと気づけば、茄子さんがその琥珀色の瞳を揺らし、俺の方へ一歩、歩を進める。それを、俺は抵抗もできず、止めることもできず、ただ立っているだけだった。
ざり、ざりと参道を歩く音が響く。そして、ぽふん、と体に衝撃が走る。何がどうなっているのか、さっぱりわからなかった。ただ、茄子さんが俺の胸に顔を埋めている事だけは確かだ。
そのまま、俺は蛇に睨まれた蛙のようにしばらく動けなかったが――少しして、体を震わせる。
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