75: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/06/26(水) 03:01:57.72 ID:v8bhYI//o
いいとも。幾らでもプロデュースしてやるさ。
本音が零れそうになる。その自分の、甘ったれた思考を握り潰し、俺は茄子さんの肩へと手を置く。彼女が顔を上げた。ああ、かわいらしい顔が台無しだ。やっぱり君には、笑顔が良く似合う。泣き顔なんて、似合わない。
『……できないんだ、茄子さん。俺だって、何度も考えた。だけど、俺にはその資格も、権利もない』
諭すように、彼女へ言い聞かせる。そして、彼女の柔らかい、しなやかな髪の上に手を置く。ぴくり、と茄子さんの体が震える。そして、そのままやんわりとさするように、撫でる。
『俺のことは、もう忘れろ、茄子さん。君は強い子だ、そしてそれに見合った才能がある。俺が保証する。だから――』
「出来るわけ、ないじゃないですかっ! 私は、Pさんのおかげでここにいるんですっ」
茄子さんがまた、叫ぶ。その声が、いちいち俺の胸に突き刺さる。ああ、君はそういう子だ。俺は茄子さんのそういう所に――。
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