過去ログ - これからぼくが自殺する部屋
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30: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/16(日) 11:43:17.76 ID:jSbLSERY0

「友人は疑うことはしたくないけれど、そういう可能性もある、ってことかな」

「すみません。真也さんだって、兄さんのことで傷ついているはずなのに」

「いいんだ。考えをまとめたところで、今後のことを考えないかな」

ぼくの余命は十日。綴真也の余命も十日。咲坂未来に至っては不明である。
突然彼女が自殺する可能性だって十分にある。効率的にいかねば。
複雑に頭を巡る考えに反して、ぼくの舌は流暢に回った。

「とりあえず、引き続きお互いに咲坂悠一と結城久について調べよう」

「君は学生だ。ぼくも学生だが、君より自由になる時間は多い」

「時間が合えば、もう一度ここに集まって話をしよう」

「わかりました。そうしましょうか」

「ああ、それに…今日は私から連絡するはずでしたのに。ありがとうございました」

「気にしないでいいよ。じゃあ、今日は解散だ」

そう言って、ぼくは彼女の手元にあった伝票を拾い上げた。
申し訳なさそうな表情をしていたが、静かに笑った。
ここは甘えておくべきと判断したのだろう。

「また、夜にでも連絡するよ」

「はい。私も、何かあれば連絡します」

ビジネスライクな会話だが、何となく綴真也と咲坂未来の関係を理解した。
ぼくの印象では、友人というよりかは、先輩と後輩のようだった。
ぼくに残された余命は九日。時間はない。急がなければ。

その間に、まずはこの身体の持ち主である、綴真也について知ることにした。




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