過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
1- 20
125: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/22(土) 23:25:44.22 ID:Iu+skykt0

 「マーク。聞いてくれ。俺たちニュータイプは、戦争の道具なんかじゃない。

 俺たちは戦争に利用され、捨てられていくような存在にはなりたくない。

 だが、残念ながら、俺もジークも、レイラも、アジッサも、どいつもこいつも、戦うことしかできなくなった、

 道具になったニュータイプに成り下がっちまった。でも、そいつらは違う。まだ、戦いを知らない。

 敵を憎む気持ちも、向けられた敵意を暴力で退ける方法も知らない。そいつらは、希望なんだ。

  俺たち道具は、こいつらに先の時代を生きていくニュータイプやスペースノイドが、

 戦い以外のために生きられるんだという証になってほしい。そういう未来を切り開いてほしい。

 だから、お前にも頼む。

 どうか、こいつらを守ってやってくれ。どうか、こいつらを、好きでいてやってくれ。

 俺たちが、憎まれるだけの存在だなんて、そう感じさせないでやってくれ…」

「ジョニー…」

何も言うことなんてできなかった。

 だが、ジョニーの言葉の意味は、

いや、これまで、サビーノやレオナや、ジョニー達の言っていたことが、すべて理解できたような気がした。

彼らは、ニュータイプや強化人間だと言われたその瞬間から、人としてではなく、道具として扱われてきたんだ。

それぞれが心のうちに苦しみを抱えながら、それでもなんとか身を寄せ合おうとした。

そして、身を寄せ合えば、“俺たち”地球の人間に迫害され、攻撃され、命を散らし、実験台にされてきたんだ。

その苦しみこそが、ジョニー達の、ニュータイプや強化人間の、気持ちなんだ…。

「ジョニー…それから、サビーノ、ニケ、サラ、エヴァ…レオナ…」

俺は後ろを振り返った。

 レオナ達は、うっすらと目に涙を浮かべていた。ハンナでさえも…。

「ハンナも…」

ハンナの名も付け加えてから俺は彼らに謝った。

「今まで、すまなかった…。今、ようやく、俺のやらなきゃいけないことが、分かった…」

「マークさん!」

ニケが俺にしがみついてくる。

「そんなことない!マークさんは、ずっとやさしかった!

 ずっと、私たちのことを分かってくれようとして、苦しんでいた!マークさんは、悪くない!悪くないよ!」

ニケは、いつか船の上で見せたような、半分錯乱したみたいになって、そう言ってくれた。

嬉しかったが、それでも、俺は、今まで…。いったい、何をしてたんだ…

 「くそ!」

ジョニーがそう叫んで、車が急停車した。

何事かと思って、前を向くと、そこには、ティターンズの軍服に身を包んだ一団が、バリケードを挟んで、こっちをにらんでいた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
837Res/1090.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice