過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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208: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/28(金) 20:05:10.01 ID:OJWBqZ2T0

 あの時と同じ、乾いた少し冷たい風が吹いている。

私たちは、ベイカーズフィールドの街の入り口にいた。

あのときお世話になったバーの親父さんはすこぶる元気で、

あたし達がついてすぐに取り寄せられないかお願いした連邦軍の制服を奥の倉庫からたくさん出してきてくれた。

これを着込んで、今は検問の真似事の真っ最中だ。

 フレートさんの情報によれば、もうじきここにオークランド研究所へ向かうアナハイム・エレクトロニクスのトラックが

通るはず。それを奪って、研究所へ潜入する計画だ。

 「レナさん」

隣にいたレオナが話しかけてきた。

「ん、どうしたの?」

私が聞くとレオナは恥ずかしそうな顔して、

「さっきの話、うれしかったです。その…ありがとう」

なんて言ってきた。ふふ、なんか、くすぐったいな、そう言われちゃうと。

「いいんだよ。本当のことだもん。むしろ、レベッカ助けても、私たちのことなんて知らないだろうし、

 ずっと育ててくれてたレオナと一緒じゃないと、きっとかわいそう」

「そうでも、ないと思いますよ」

レオナはそんな意味深なことを口にした。どういうこと?

「たぶん、あの子は知ってると思います。レナさんや、アヤさんのこと。

 ロビンちゃんが、私のことを知っていてくれてたように…」

そう言えば、そうだ。ロビンは、レオナのことを知っていた。レベッカのことも知っていた。

あの時は驚いたけど、でも、そうなのかもしれないね。

 そうでなくたって、子どもって不思議な力っていうか、そう言うのを持ってたりするっていうし、

それが、殊、ニュータイプの姉妹なんてことになったら、いろんなことを共有し合っていてもあんまり不思議じゃない。

私とアヤでさえ、ちょっと離れてたって、その気になったら、なんとなくお互いのことを感じられるんだ。

ロビンに至っては、家の中のどこにいるか、くらいはすぐに分かっちゃう。

血のつながった、二人なら、もしかしたら、私たちのことも共有しているのかもしれない。

そうだったら、なんだか嬉しいな。

 思わずこぼれてしまった笑みを見て、レオナも笑った。亜麻色の髪が、風に揺れていて、すごく穏やかに見えた。


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