過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/07/03(水) 21:58:20.33 ID:RggOFisF0
「ダリル、こっちの無線のチャンネルをBに切り替える…」
<了解。マライアとのおしゃべりは、こっちに任せとけ>
<あっ!ごめん、アヤさん!しゃべってないと、怖くてダメなんだ、あたし!>
良く言うよ、あんな圧倒的に敵を叩いといて怖いとか、どの口が言うんだ。
「こっちに用事があったらBチャンネルで話しかけてくれ」
<りょうっかい!>
アタシは車を止めて、マークとハンナにもチャンネルを替えさせてから、表に出た。マークとハンナも車を飛び降りてくる。
「ハンナ、マーク。アタシから離れるなよ。銃は抱えてりゃ良い。まだ撃ち合いするつもりはないからな」
「了解です。こんなとこで敵とやり合うなんて、正直、生き残れる自信ないんでね」
マークは脂汗をいっぱいにかきながら言う。ハンナは、マークよりはすこし余裕のありそうな表情で
「分かってます。アヤさんの後ろを離れません」
と言って笑った。ハンナの根性の据わりっぷりは、やっぱり、さすがだ。
「ダリル、これから研究所内に潜入する」
<了解した。こっちもハッキングを開始する。見取り図を見つけたら、そっちのコンピュータに転送する>
「頼んだ」
アタシはダリルにそう言って無線を切った。それから、ふうと一息ついて、また二人を見やって
「行こうか」
と確認する。二人は黙ってうなずいた。
駆け回る警備兵の間を縫って、研究所へと走る。
轟音と、爆発、それから叫び声が飛び交っている。マライア、派手にやりすぎだぞ!増援でも来たらどうするつもりなんだ!
そんなことを思いながら、アタシ達は研究所の正面入り口に到着した。
入り口を守っている警備兵が二人、あたりを警戒している。アタシは迷わずにそいつらの前に姿をさらした。
「第三分隊所属のエインズワースだ!本部から捕虜警備の増援命令を受けてきた!」
アタシが言うと、警備兵の一人が真剣な表情で
「そうか!中は混乱している!指揮系統を確認して、持ち場についてくれ!」
と言って研究所の中へとかぶりをふった。なに、ちょろいもんだな。
「あぁ、任せろ!そっちも死ぬなよ!おい、行くぞ!」
アタシは、彼をそうねぎらってから、マークたちに叫んで研究所の中に駆け込んだ。
中は、壁が真っ白に塗られて、真っ白な照明が明るく照らす、奇妙な空間だった。警備兵が廊下を慌てた様子で走り回っている。
「ダリル、研究所の中に入った」
<よし…待て…あったぞ、転送する>
ダリルの無線を聞いて、アタシは腕につけていたポータブルコンピュータを確認する。確かに、見取り図が送信されてきていた。
レナは…どこだ!?
<アヤ、地下2階と3階の間に、ミノフスキー粒子を充填してある階層がある。おそらくこいつで電波を遮断してるんだ。
地下階へ行ったら、まず最優先で無線機を取り付けろ>
ダリルの言葉に、アタシは見取り図を確認する。
電波を通さない、ってことは、どこかに、有線の通信用のモジュールがあるはずだ。
そいつを目指そう…とにかく、まずは非常階段!
「こっちだ!」
アタシは見取り図に従って、真っ白な廊下を走る。
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