過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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404: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/15(月) 14:16:55.66 ID:a4CMWmdY0

 あたしはレオナの手を引いて、操縦室から居住スペースを抜けてケージへのハッチを開ける。

レオナに合図をして、ヘルメットのシールドを閉じさせて、酸素ボンベを開く。

ケージの中も気密されているけど、これもまぁ、一種の習慣ってやつだ。

 ケージに横たわるZガンダムのコクピットを開けて乗り込む。

機体の酸素供給装置にあたしとレオナのノーマルスーツを繋いで、

操縦席にいたときとは逆にあたしがシートの前に座り、レオナを後ろにして二人まとめてベルトで固定する。

「ルーカス、準備出来た。ハッチ開けて」

<了解。ハッチ、開けます>

無線が聞こえてくるのと同時に、機械音がして背中側のハッチが開いた。

シャトルのアームが動き、モビルスーツがシャトルの外へと放り出される。

 スラスターを吹かして機体を安定させる。周囲を360度見渡せるモニターであたりを確認する。

脱出ポッドは、シャトルのすぐ上を飛びぬけて、後方へと流れて行っている。

バーニアを点火させて脱出ポッドを追って捕まえ、逆噴射でポッドも機体も制止させた。

 「脱出ポッドに乗っているパイロット!助けに来たよ!ハッチ開けて!」

あたしは接触通信でポッドへのコンタクトを試みる。でも、ポッド側からは何の反応もない。

死んじゃっている…感じではない。これは生きている人の感覚。

こちらの呼びかけに答えられないほどにおびえているんだ…。

 「マライア」

レオナがそう声を掛けてくる。考えてることは、なんとなくわかる。

「私が連れてくる。ここでモビルスーツの操縦をお願いしていい?」

レオナはそう言ってきた。そうするほかにないよね。

レオナにモビルスーツの操縦は出来ないし、あたしが声を掛けて反応がないのに、なおもあたしがポッドへ行ったって、状況が変わらないかもしれない。

あたしはまた、ノーマルスーツからアンカーワイヤーを引っ張ってシートにひっかけた。

一度ベルトを外してレオナをシートから浮かせてからシートにもどってベルトをする。

「レオナ、開けるね」

「うん」

レオナの返事を待って、あたしはコクピットを開いた。

コクピット内に充填されていた補助のエアーが一瞬にして外に吹き出す。

そのエアーの勢いに乗って、レオナが外へ飛び出していく。

アンカーワイヤーが伸びて行って、あたしの操縦でZガンダムが抱えている脱出ポッドへレオナが漂っていく。

レオナが脱出ポッドにぶつかって、姿勢を安定させた。

 あぁ、なんだかハラハラしてきた…胸がキュッと、詰まるように苦しくなる。



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