過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/10(土) 20:00:49.18 ID:Wzwnx14z0
「わたし達に…?」
プルツーが顔をあげる。
「うん…私は、誰よりもあなた達に、生きる意味をあげたいの。美味しいものを食べたり、遊んだり、
大切な誰かと一緒にいることも嬉しくて幸せだけど…でも、分かるんだ。私もそうだから。
楽しいことがあっても、私達の心にはどこかぽっかり小さな穴が空いてて、
幸せなときも、どこかで虚しさを感じてる。寂しさを感じてる。誰かと一緒に居たいって願ってる。
優しくして欲しい、愛されたいって、そう思ってる。でもきっと、それは“誰か”では埋まらないんだよ。
私達が、自分は何者か、ってことを理解して、それで、そんな自分をそれでもいい、って思えるまでは…ね」
「分からないよ…そんなの…」
プルツーはレオナの話にそうとだけ返して、また、俯いた。
レオナの話、何となく分かるな…たぶん、昔のあたしがそうだったんだ。
みんなに認めてほしくて、みんなと一緒に居ようとしたけど、結局、自分の情けなさを痛感するだけで、
心の隅っこでいつも孤独を感じてた。
いつまで経ってもヒヨッ子で、甘ったれで弱虫なマライア・アトウッドだった。
ソフィアの決断と、アヤさんの発破で宇宙に飛び出したあたしは、こんな知り合いも誰もいない暗い場所で初めて、
大好きだったオメガ隊に居るために必要だったものが、一緒に居たいって思う気持ちとは真反対の、
自立心だったってことに気がついた。
守られるだけの存在じゃなく、仲間として一緒に居るために、隊長やアヤさんに憧れてマネするんじゃなく、
あたしはあたしだ!って、言い切れるようにならなきゃいけなかったんだと思う。
そうなって初めてあたしは、アヤさんにも隊長達にも困ったときには頼られる、オメガ隊員の一人になれた。
まったくおんなじってワケじゃないけど、レオナの言っていることは、レオナはレオナだって、
自分自身が言い切れるようになること、なんだよね。
マリやプルツーにも同じことを感じて欲しくて、そのためには、自分達がどういう人間なのかを、
事実がどんなであれ、伝えてあげたいんだ。
そしてたぶん、それを受け入れた二人が、道具じゃない、人間として生きる、って決められるときまで、
そばで見守るつもりでいるんだろう。
宇宙へ飛び出して連絡も極力絶っていたあたしを、忘れることなく、
帰ったときに「おかえり」って、言ってくれた、隊のみんなとおんなじようにね。
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