過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/13(火) 20:08:22.35 ID:VbWE6aCM0
その晩、レオナが眠ってから、ユリウスが私を呼び止めた。
その表情は、これまでとは一転してなにやらくぐもっている。
悪い予感は感じたが、それでも話さなきゃいけないことなのだろうと言うのは、感じ取れた。
不安を胸に抱えて私は席についた。
まさか、別れたい、とか、出ていくとか、そう言う話じゃない、よな?
「今日、上から指示が来た」
ユリウスが話し始める。この研究所で上、と言えば、ドクターフラナガンを筆頭とした、執行部会。
研究の方向性や内容を検討する意思決定機関だ。それが、ユリウスにどんな指示を?
私は黙ってその先を促す。ユリウスは、重々しそうな唇をやっとの思いで動かしながら言う。
「来年、施設の拡張が済んだら、レオナはそこで生活をさせることになるらしい」
ユリウスの言葉の意味が一瞬、理解できなかった。
「ま、待って…私も、一緒でしょ?」
私の問いかけに、ユリウスは力なく首を横に振った。
「レオナ一人での生活になる。
ジオンからの資金を増額する見返りに、感応現象に関する研究体制の整理と強化が目的らしい」
「そんな…だって、親権は私に持たせるって契約だったはず…」
「あぁ、うん。親権の移動や譲渡はない。放棄も条項の要件にはなっていない。
ただ、研究体制を整えるために、生活棟が、常時モニターを行える新しい施設になる、ってことだ。
他の子ども達も、恐らくそこに集められる…」
ジオンの資金…それは、もしかしてあの能力を軍事転用することが目的なの…?!レオナが、兵士に?
それとも、前線に出向いて、レーダーの代わりになれとでも言うの?!
ふざけんじゃない…ふざけんじゃないよ!
私は思わずユリウスの胸ぐらをつかんでいた。
「あんた、私にとってあの子がどういう存在か分からないなんて、言わせない!」
言ってしまってから、しまった、と思った。
だってユリウスの目からはボロボロと涙がこぼれていたから…ユリウスが泣いているところなんて、初めて見た…
私は全身の力が抜けていくのを感じて、イスにへたり込んだ。
「幸い、レオナの担当はなんとかあたしに割り振らせた。多少強引だったが、他の研究者には任せておけない」
ユリウスが…レオナを見ててくれるんだ…。
「それに、面会が謝絶されるってわけでもない。
テストのない時間に会って遊んだり出掛けたりするのは今まで通りで構わないそうだ」
そうか、会ったりすることは、出来るんだ…
「すまない。あたしもずいぶん食い下がったんだが…力不足だった…」
ユリウスは力なく肩を落とした。
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