過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
1- 20
667: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/03(火) 21:44:43.34 ID:TIniHMsXo

 「久しぶりの地球は、どう?」

「うん。ここは、やっぱり、暖かくて、気持ちが開いて行くね」

レオナはそう言って、また笑った。

「お母さんのこと、残念だったね…

 私もさ、戦争で家族をみんな亡くしちゃったから、辛かっただろうなっていうのは、なんとなくわかるよ」

「レナさんも、そうだったね…。でも、私行って良かったよ。

 いろんなことを思い出して、辛くて壊れそうになったこともあったけど…

 私、ママやユーリに愛されてたんだな、守ってもらえていたんだなって分かった。それが、すごく嬉しかった」

レオナがグラスを傾ける。窓から差し込む月明りで、きらりと彼女の瞳が輝いたのが見えた。涙、かな。

 「ね、レナさん」

グラスをテーブルの上に置いて、レオナが改まって声を掛けてくる。

「ん、なに?」

私が首をかしげて聞くと、レオナはとても優しい笑顔で

「ここに住もう、って言ってくれて、ありがとう。

 レナさんやマライアに会えなかったら、私、今こうしていることもできなかったって思う。本当に、ありがとう」

なんて言ってきた。

 お礼を言われるようなことじゃないよ、レベッカのこともあったけど、そうでなくたって私達はけっこう、

誰にだってこんな感じなんだ、って言おうかとも思ったけど、止めておいた。せっかくの、レオナの言葉だ。

私も、レオナに言ってげないと、ね。

「レオナこそ、ありがとう…レベッカを産んでくれて、守ってくれて」

私がそう言ったら、レオナは少し照れたみたいにして笑った。でもそれから、またちょっと真剣な表情で

「これからも、よろしくおねがいします」

と言って、また笑った。

「うん。こちらこそ!」

それ以上、言葉はいらなかった。
 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
837Res/1090.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice