過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/09/29(日) 18:23:43.33 ID:Whh22nJ9o
あたしは、裏返った車の腹側を見て気が付いた。これ、ガソリンエンジンを積んでる!エレカじゃない!
これはヤバイよ!これ、この臭いって、ガソリン漏れてるってことでしょ?!
こんなところで引火でもしたら、爆発してペンションにも母屋にも火の手が及んじゃう!
「燃料が漏れてる!」
あたしはマリオンに叫んだ。マリオンはぎょっとした表情をあたしに見せてくる。
「どうしよう!?」
「動かすしかないよ!」
こんなところで爆発されたんじゃ、たまんない。とにかく、場所を移さないと…せめてもっと道路の方に。
できたらそこで、燃料を抜き取っておきたいけど…でも、二人だけでどうやってこのひっくり返った車を運ぶの!?
考えて、マライア!これはペンションの危機だよ!あんたがやるしかないんだ、考えろ!
あたしは自分にそう言い聞かせて思考を走らせる。でも、どうやったって、人の手では無理だ。
だとするなら、何か機械の手を借りるほかはないけど…車、か。
ガレージのワゴンの方ならパワーもあるし、なんとかなるかもしれない。
「マリオン!車持ってこれる!?ワゴンの方!」
「大丈夫だと思うけど…!ガレージ、開けて大丈夫かな?!」
マリオンの言うことはもっともだ。
風向きを考えないと、ガレージに風が吹き込みでもしたら、めくり上がってしまうかもしれない。
それはそれで、大問題だ。あぁ、もう!ゼータでもあれば車の1台や2台、ヒョイッと持ち上げて終わりなのに!
「とりあえず、車を固定しよう!一緒にガレージに行って、ワゴン出さないと!」
「分かった!」
あたしはマリオンとそう言い合って、ロープで車のシャフトとガードレールを固定した。
それからまた這いずるみたいにして、なんとかガレージへとたどり着く。もう、この往復だけでものすごい消耗だ。
これが自然と戦うってことなんだね…ジャブローの気候が暑いだなんだって言ってた自分がかわいく思えるよ…。
ガレージのシャッターの前に立って、風向きを見る。東風、時々南風だ。
南風に吹かれたら、ちょっとヤバそうだよね…タイミングが難しいな…。
「マライアさん!あたしが車を動かすから、マライアさんはシャッターをお願い!」
「でも、タイミング合せるの、かなりシビアだよ?!」
「大丈夫、ほら、ここで!」
マリオンはそう言いながら、人差し指でこめかみをちょんちょんとつついた。あ、そうか!マリオン、頭良いね!
あたしはうなずいて、マリオンをガレージの中に押し込んだ。
自分は、外で、風向きを観察しながらシャッター解放のボタンの前に立つ。シャッターが開くのには5秒くらいかかる。
開けて、マリオンがすぐに出れば、閉じるのには3秒で済む。最短で8秒。勝負だ…!
風が弱まったのを感じた。いまだ!あたしは、マリオンの肌触りを感じて、神経を集中させながらボタンを押した。
ガコン、という鈍い音とともに、シャッターがするすると昇って行く。
上に上がり切る前に、マリオンがワゴンに乗って飛び出してきた。あたしはそれを確認して、すぐさま閉鎖のボタンを押す。
上がり切る前のシャッターがまた、するすると降りてきてガシャンとしまった。良かった、なんとかなった!
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