過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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783: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/29(日) 18:24:22.42 ID:Whh22nJ9o

 あたしは、マリオンの運転するワゴンを誘導して、転がっていた車の方へと向かう。

途中、何度か、ワゴンが風にあおられてひやっとする瞬間があった。それ、考えてなかった。


 こんな小さな車がころがるくらいだ。ワゴンなんて背の高い、表面積の広い車はそれだけ風を受けやすい。

長引かせていたら、今度はうちのワゴンがマリオンごと転がって行ってしまうかもしれない。

そんなことになったら、あたし、アヤさんに顔向けできないよ!急がないと!

 あたしはガードレールに結んでいたロープをほどいて、ワゴンの前に取り付けたウィンチに結び付けた。

マリオンに合図をして、ゆっくりとワゴンを交代させてもらう。

ミシミシと車体が軋んで車はドン、と低い音を立てて元の位置に戻った。あとは、移動させるだけ…!

あたしはさらにロープを車の下の牽引用フックに結び付けた。

「マリオン、引っ張って!」

あたしはマリオンにそう怒鳴って、手を大きく振った。

フロントガラスの中のマリオンがオッケーサインを作って、ゆっくりとワゴンを動かしていく。

ロープがピンと張って、ミリミリ言いながらも、転がってきていた車がゆっくりと動き出す。

あたしは車のそばについて、ロープの具合や、進行方向を調整しながら、

なんとかマリオンと一緒になって、車を道路に運び出すことに成功した。

 ウィンチに縛り付けたロープをほどいて、車を改めてガードレールに固定する。これなら、大丈夫、かな。

あとは、雨でガソリンがきれいに流れてくれると良いんだけど…。

 「マライアさん、どう!?」

「うん、これで大丈夫!ワゴンをガレージに戻そう!」

そのままワゴンに乗って、ガレージに戻って、出した時と同じように風向きに気を付けながらテキパキとワゴンを中に戻した。

 もう、とんだ騒ぎだよ…さて、見回りの続き、はじめないとな。そう思って、あたしはマリオンを見やった。

大丈夫かな、相当な肉体労働になってきてるけど…

「マリオン、まだ見回り続けるけど、大丈夫?」

「ええ、問題なしです」

あたしが聞いたら、マリオンはかすかな笑顔を浮かべて、そう返事をしてきた。

感触もまだ、やわらかだし、大丈夫そうだ。

「それなら行こう。気を付けてね」

「はい!」

あたし達はまた、壁に沿って、ペンションの周りの状況を確かめに戻る。

さっき、車が転がっていた辺りは、もう何もない。

そのまま壁沿いに車を退避させた道路側へと歩いて角を曲がったとき、何か聞きなれない音が聞こえてきた。

 ガランッ、ガンッ、ゴンッ

 なにか、金属みたいなものがぶつかるような音だけど…

あたしは風で持って行かれそうな体を壁で支えながら音のする方を懐中電灯で照らす。
 


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