過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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794: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/10/01(火) 00:05:56.70 ID:ObsLsi9Ro

 あたしはその感触を頼りに、腕をまっすぐに伸びるまで力を抜いた。庇の下の窓が見えた。

一辺が1メートルもない小さな窓だけど…それでも…!あたしは、もう一方の脚も窓枠にひっかける。問題はここから。

ロープに体重を預けないと、窓にはたどり着けない。あたしは恐る恐る、庇にかけていた手を離した。

 巻きつけたロープが、体にめり込む。で、でも、意外にしっかりしてる

…こ、これなら大丈夫…だ、だいじょ…だ…だ…ダメだ、これ!

窓枠へ体を引き要せようとしたあたしは、ロープがピンピンに張っていることに気が付いてしまった。

屋上のアンカーボルトからここまで、と思って伸ばしていたロープが、ほんのちょっと短かったんだ!

 あたしは、窓枠に足を引っかけて、体重はロープにかけたまま、斜めの状態で身動きが取れなくなってしまった。

どどどどどどどどどど、どうしよう!?このまま、ハリケーンが過ぎるまで宙ぶらりん!?

イヤだよ、そんなの!どんな罰ゲームでもそんなことさせられたことないよ!

アヤさんやカレンさんにもやられたことのないようなことを、進んでやるような勇気ないよ!

 「マライアさん!こっちのロープ使って!」

マリオンが怒鳴って、別のロープをあたしに投げてきた。

なんとかそれを掴まえたあたしは、自分でも寒気がするくらいのアイデアを思いついてしまっていた。

 ま、まず、このロープを体に巻くでしょ…で、それで…マリオンにグッと中へ引っ張ってもらいながら…

あたしは今巻き付いている方のロープを、ナイフで切る…

そうしたら、体は窓枠についている足を支点にして窓の中へ引っ張られる。

も、もちろん、窓の中への力だけじゃなくて、重力もかかるから、その、万が一失敗したら、

マリオンが支え切れなくなれば、墜落…で、でも、だだだだだだだ大丈夫!

こ、この庇を手で突っ張れば、ちょっとの間なら維持できる…や、やろう…!

「マリオン!このロープの終わり、どこかに結び付けてある!?」

「建物の柱に結んであるから、大丈夫!」

よ、よし…そ、それなら…!あたしは、マリオンのくれたロープを体に巻いて、しっかりと結んだ。

それから、深呼吸をしてベルトに通したケースからナイフを抜く。

うぅ、考えてみればこのナイフ、イジェクションシートのナイフなんだよね…

戦闘機は撃たれて…つ、“墜落”したんだった…な、なんか、縁起悪くない?大丈夫かな?大丈夫だよね、ね?
 


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