過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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8: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/14(金) 23:17:16.16 ID:JGBQ+Wk30

 マグをトレイに戻し、そのままハンナをじっと見つめている。

 警戒心の強い子だな。それに、子ども達を守ろうと必死だ。一気に飲み干して、体に異変がないか、確認しているんだろう。

 どれくらい時間が経ったか、彼女は子ども達に

「大丈夫…だと思う。いただきましょう」

と言った。子ども達はパッと明るい笑顔を見せて、われ先にとマグを取ると、まるで水を飲み干すみたいにゴクゴクとあおった。

「どう?自慢なんだ、スープ。おいしいでしょ?」

ハンナが子ども達に言う。聞いているのかいないのか、子ども達はスープを一心不乱に飲み干した。

「お代わりいる人はマグ頂戴ね」

ハンナが言うと、子ども達は無言でマグをハンナの前に突き出していた。

保護者らしい女性も、やはり戸惑いながら、マグをハンナに向けていた。

 スープの入っていた鍋は、たちまちカラッポだ。

「おいしかった?」

ハンナがそう言って子ども達に笑いかけた。

そしたら、一番小さかった女の子が目にじんわりと涙をためて、それがポロッと零れ落ちたと思ったら、

顔を伏せてしゃくりあげだした。

 子ども達の中では一番の年上に見える男の子が、彼女を抱き寄せて頭を撫でてやっている。

 そりゃぁ、怖いだろう。大の大人だって、明日から拷問されます、って聞かされたら、こうなるに違いない。

こいつらが明日の予定をしってるかどうかなんてわからないが、最悪のことを想像してしまうのは、状況として当然だ。

 あの大尉殿め。なんとか言いくるめてやれないかな…こんなやつらを尋問にかけるなんて胸糞悪すぎる。

 不意に、ピピっと言う音が拘禁室内に響いた。俺の腕時計のタイマーだ。長居するわけには行かなかった。

「ごめん、時間だ。行くね」

そう言ってハンナが立ち上がった。俺も腰を上げて、尻をパンパンとはたく。

俺たちを見つめる5人を横目に見ながら、俺とハンナは拘禁室を出て執務室に戻った。





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