過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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828: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/10/07(月) 20:10:54.84 ID:m3HfRBlIo

 大尉、安心してください。あなたは俺達なんかとは違う。

あなたの心の中には俺たちとは違う、なにかがある。たとえどんなに潰されても、蹂躙されても、折れ曲がっても、

時間が経てばすぐにでもまたまっすぐに伸びることのできる、なにかがある。

だから、我慢なんてしなくていいんです。あなたの強さの根底は、涙くらいで揺らぐものなんかじゃないんですから。

俺が憧れるあなたは、泣かない強さを持った人のことじゃない。

何度でも立ち上がれる、そんなたくましさを持った人なんですから…

 そんな俺の想いが届いたのか、大尉はそのまましばらく、俺の腕の中で大声で泣いていた。

 俺はそうしながら、いつの日かのことを思い出していた。

 人の体温は、こんなにも心地良いなんてな…俺は、長い間感じることのなかったそんな思いを、

あの日のように、思い出していた。

 不意に、デスクの上の電話が鳴った。大尉は泣き止んで、腕の中で俺を見上げた。

「ルーカス、出て。今、あたし、無理」

普段は凛々しい彼女が、涙でボロボロになって。鼻水まで…俺の制服にへばりつかせて言ってきた。

苦笑いを通り越して、さすがにちょっと気持ちが引けた。

 「アトウッド大尉の執務室だ」

俺はデスクの方まで行って受話器を上げ、そう伝えた。

「あ、これは、中尉殿。マーク・マンハイムであります」

受話器の向こうからは、ここのところ、反抗的な態度を見せてくる例の男の声がした。

「あぁ、貴様か」

俺はそう言いながら、大尉をみやって、マークからだと伝える。すると大尉はニコッと笑顔を見せて

「うちの隊に来ないか、って誘っておいて」

と言いながらティッシュで鼻水をぬぐった。

 まったく、あなたって人は、本当に、気合いが抜けているときはただの“お喋りお嬢さん”ですよね。

そう思った俺の脳裏に、ライラ大尉がマライア大尉を呼ぶ声が響いた気がした。







―――――――――――――――――to be continued to CCA




 


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