過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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83: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/18(火) 22:21:52.39 ID:KMbg4rxB0


 それからサビーノ、サラ、エヴァ、ハンナとレオナも降りてきた。

「揃ったな。サビーノは俺の後ろを離れるなよ。サラとエヴァは、ハンナとレオナにつかまってるんだ」

俺はそう指示をして、ニケの体をつかんで、もう一方の手で水中を掻き、海水を蹴る。

なるべく音をたてないように、なるべく水面から頭以外の部位が出ないように、ゆっくり、慎重に進んでいく。

 テラスから見た限りでは、埠頭を回った裏側は造成中の港があった。そちらの方には人影がなかったので、とにかくそこを目指す。
「異常ないかー?」

「あるわけないだろ。上の連中、適当な指示ばっか出しやがって。なんだってこんなとこに逃走捕虜が来ると思ってんだ?」

「あはは、確かにな。ティターンズ様の下請けで忙しいんだ。なんだっけ、ナントカ研究所だかなんだか知らんが、自分たちのケツ くらい、自分らで拭けってんだよ」

「おいおい、研究所から来てる士官殿に聞かれないようにしとけよ、出ないとお前も改造手術の実験台になっちまうぞ?」

「うるせぇ、だいたい、お前が話題振ってきたんじゃねえか」

「そうだっけか、忘れたな、ははは!」

警備兵の談笑する声が聞こえる。

 グッと緊張が高まって、胸の高鳴りが大きくなる。ニケの腕が、体に絡みついて来た。

俺はニケの体にまわした腕を少し強めに引き寄せて、大丈夫だ、と伝えてやる。

チラリと見やったニケの顔は、恐怖にゆがんでいた。

 船から、500メートルほど離れた。もう少しで、埠頭の先を抜けられる。

後ろから来るサビーノも、ハンナもレオナも大丈夫そうだ。もうすこし…もう少しだ…。

 ふっと、目の前の海面が明るくなった。サーチライトの1機が、こちらを向いたのだ。心臓が一瞬、止った。

すぐさまその場に留まって、ライトの動きを注視する。下手に動けば、逆に見つかる。焦るな…!

 そんなとき、タンタンと言う妙な音が聞こえた。

俺はすぐにその音の方を振り返るとそれはちょうど背後から、進んでくる船のエンジン音の様だった。まさか…やつらの船か…?

 俺はそう思って、水中でベルトに差してあった拳銃を握る。

 サーチライトがその船を照らし出した。それは、漁船だった。



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