19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/16(日) 17:46:05.54 ID:qhHCx2Gz0
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「ありがとうございます。このあたりで降ろしてください」
タクシーで30分と少しのところまで来た。
駅前の商店街。
ここならば、人通りもそれなりに多く滅多なことはできないだろう。
少なくとも銃を抜くことはまずできないはずだ。
「ねぇ、Pチャン?そろそろ教えて欲しいにゃ」
前川みくは俺に続いてタクシーから降りると特徴的な口調で尋ねた。
落ち着いた茶色のボブカットヘアにゆったりとしたワンピースとカーディガン。
まだ女子高生だというのに、発育しきった胸部にあどけなさを残した顔立ち。
その輪郭に収まる猫のような大きな目は普段ならば、溌剌と輝いているのだが、今は困惑の色に染まっている。
そのせいなのか、今も俺のシャツを、ついとつまんで軽くひっぱている
「ナターリアに銃で撃たれた。理由は俺もわからん」
周囲をニ、三度見回し誰にも聞こえないように彼女に耳打ちをした。
「はぁ?Pチャンは何言ってるのにゃ?映画じゃああるまいし……」
みくは眉間に皺を寄せ、やや大きな声でそういった。
心底呆れたような表情で。
彼女とは日ごろからイタズラをしあう仲なのだがそれが裏目に出たらしい。
信じてもらえるまじっくりと話す必要がありそうだ。
俺はみくの手を引くとひとまず、ゆっくりと話せる場所を探す事にした。
商店街の近くで降りてよかった。
通路の天井を覆うルーフのお陰で、この雨の中でも濡れる事もなさそうだ。
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