過去ログ - P「moratorium」
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1: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:40:03.53 ID:H1z/2ATLo


「兄ちゃんに真美の気持ちなんか分かんないよ」


真美の言葉が頭の中でひたすらリフレインされる中、一歩、また一歩と薄暗い階段をゆっくり上る。

建物の中とはいえ、じっとりと汗が滲み、背中に張り付いたシャツは不快感だけを与えてくれた。


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2: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:41:24.36 ID:H1z/2ATLo

事務所を飛び出して行った少女。

一瞬の間を置いて追い掛けると、屋上に続く階段に向かう後ろ姿が見え、後に続いた。

以下略



3: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:42:16.31 ID:H1z/2ATLo

信頼こそが互いの関係を繋いでいくのだから。

所謂、『思春期の少女』への対策を怠るとプロデュース業にも支障をきたし、禍根を残せば、その心は一生閉じたまま、そんな事もありえるのだから。

以下略



4: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:43:52.58 ID:H1z/2ATLo

彼女は今、その人生の中でも、特に尊い時間を生きているのだから。

有り体の言葉で括れば、青春。
誰しもが体験し、大人になれば懐かしむ。
以下略



5: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:44:31.24 ID:H1z/2ATLo

そう遠くない未来、彼女が心から幸せと思える瞬間も、きっと訪れるだろう。
それでも、有耶無耶にして無かったことになんか出来ないほどの傷を残した可能性に心が締め付けられる。

後悔だけが募り、足取りもどんどんと重くなるが、罪過を禊ぐために屋上へと続く階段を上った。
以下略



6: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/06/15(土) 19:45:22.99 ID:H1z/2ATLo

ひとつだけ溜め息を吐き、ゆっくりとドアを開けると視力を奪うほどの強い光に思わず目を細める。

それと同時に風の流れを身体が感じ、陰鬱とした気持ちが少しだけ晴れた。

以下略



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