過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」
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368: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:30:03.51 ID:rXE7FPtg0
泰葉、幸子、杏
3人のカースドヒューマンの日常です


369: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:30:40.91 ID:rXE7FPtg0
北条加蓮という少女の謎の失踪は、ほんの数日間だけ人々の関心を寄せはしたが、
次から次へと溢れていく新しいニュースが彼女の存在を押し流してしまったようだった。

とはいえ、末期の心臓病で余命幾許もないと診断されて、主治医はおろか両親さえ
諦めてしまったような重病人が忽然と姿を消し、しかも誰一人として目撃者のいない
以下略



370: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:33:15.03 ID:rXE7FPtg0
 
――――――――――
 
ひとつ、またひとつ。
意識の届くいっぱいにまで広げた感知野からこぼれ落ちていく存在を認識し、
以下略



371: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:33:51.96 ID:rXE7FPtg0
『クッククク……腹立たしいよなぁ、泰葉ちゃん?
 あのエロ監督を八つ裂きにするチャンスだったのになぁ。惜しい惜しい』

苛立ちを抱えた胸の内奥から、泰葉を挑発するように囁く猫撫で声が響いた。

以下略



372: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:34:43.43 ID:rXE7FPtg0
『悔しいよなぁ、腹立たしいよなぁ……? 俺はお前さんの成功を祈ってるぜぇ……』

「うるさい! 消えて! さっさと私の中から出て行って!」

『クッククク……おやおや、泰葉ちゃんはご機嫌ナナメ。それじゃあ退散しましょうかねぇ』
以下略



373: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:35:13.53 ID:rXE7FPtg0
「あ、泰葉さん。おかえりなさい」

泰葉を出迎えたのは、小柄な中学生くらいの少女だった。

名前は輿水幸子。彼女もまた、カースと一体化したカースドヒューマンだった。
以下略



374: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:35:56.05 ID:rXE7FPtg0
幸子はくるりと身を翻すと、開いた五指を虚空にかざす。
すると、ビー玉くらいの大きさの黄色い核が出現し、フローリングの床の隙間から染み出した
黒い泥が核を中心に凝集し、不定形の身体を成す。
同様にして、数体のカースが次々と生み出されていく。

以下略



375: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:36:46.96 ID:rXE7FPtg0
「あなたが可愛いのはわかったから。杏さんはどこにいるの?」

「え? ああ、寝室で寝てますよ。夜遅くまでゲームしてたみたいですし」

「また? ……わかった。ありがとう、幸子ちゃん」
以下略



376: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:37:16.73 ID:rXE7FPtg0
「普通、ドアが開かないからってドアを突き破る? 映画じゃあるまいしさー」

寝室からは、気の抜けた声が泰葉を出迎えた。

ベッドの上で、黒い泥をクッションのように纏わりつかせている、小学生くらいに見える少女。
以下略



377: ◆kaGYBvZifE[sage saga]
2013/06/19(水) 20:38:00.72 ID:rXE7FPtg0
ドヤ顔で言い放つ杏に、泰葉はもう呆れて言葉もないといった風情だ。
これで自分よりも年上なんだから……と、幸子とは別の意味で怒る気にもならない。

実際、彼女を殺すことは容易ではない。
『怠惰』の属性ゆえか、自堕落を貫き通すための進化を遂げたのか、杏は怪我をしても
以下略



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