過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
1- 20
213: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/07/08(月) 18:03:45.78 ID:YQCvQOyk0

 あの人は語る。

 すでにピンで活躍していた凛ちゃんを中心に、ユニット活動をさせようという企画が持ち上がり。
 デビュー待ちだった加蓮ちゃん、奈緒ちゃんを加えた三人組をプロデュースすることに。
 そこに抜擢されたのが、まだ駆け出しのPさん。
 アシスタント歴はそこそこあったけど、すでに売れっ子のプロデュースということで。
 緊張の連続だったらしい。

P「凛はあまり話しませんけど、プロ意識の強い子で。無言実行タイプでしたね」

P「加蓮はもとから華がある子で。体力のなさを気力でカバーする子でした」

P「奈緒はね、あのとおり奥手で。でもやるときは切り替えられる聡明な子でした」

楓「なんで担当から外れたんですか?」

P「それは最初から決まっていたことです」

P「路線を決めてその目標に進んで、仕事のルーチンが回ったらマネージャーに渡す。そう決まってました」

P「ただ、ね。やっぱり難しい年頃は大変です」

 あの人は、三人といろいろ話をしながら路線を決めていったらしい。
 それだけ接する時間も長くなる。これがいけなかった。
 思春期の子と頼れる異性。恋愛感情も沸いてくるだろう。

P「なんていうか、依存が強くなってきてるのがはっきりわかるようになってしまったんですね」

P「特に凛」

P「明らかに仕事のパフォーマンスが落ちてしまいました」

 Pさんは恋愛感情を持つことはなかったそうだけど、彼女たちがそうだとは限らない。
 お互いに高い職業倫理は持っていても、心の揺らめきは隠せない。

 マネージャーへの引継ぎを前倒しすることとなった。
 多少の不満はあろうが、決定事項だから曲げられない。それに。
 大勢のファンがいる事実。
 高い仕事意識を持ってる彼女たちは、決定に従った。

P「今でも人気があることで、目指した方向は間違ってなかった」

P「でも、自分のやり方は、失敗でしたね」

 あの人と彼女たち三人は、今でもあまり顔を合わせることはない。
 大きな代償を支払ったのだろう。

P「今でも、どう関わればよかったのか。わからないんですよ」

楓「……難しいですね」

P「うん。思えば、憧れと恋愛を錯覚していたのかも、しれませんね」

楓「……」

 では、私の気持ちはどうなんだ。
 錯覚?

 酔っているから、言ってしまっても仕方ない。

楓「じゃあ、Pさん」

P「はい?」

楓「今日なんで、私には『デート』って、おっしゃったんですか?」


     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/629.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice