102: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/11/08(金) 12:50:54.10 ID:iAk4uIRm0
「私はキミを死なせたくなかった。だから『洗礼』……キミの血を吸って吸血鬼の再生力に懸けたんだ」
「……なんで?」
「吸血鬼にしてしまった事については申し訳無く思う」
マリアヴェルは目を伏せがちにして謝罪し、その後ろにいる茨木は凉一を射殺さんばかりに睨み付ける。自分の言葉足りない問いが彼女に質問の意が伝わっていない事に気付き、凉一は慌てて質問し直した。
「あ、違う、その……なんでベルはボクを助けてくれたの?」
「…………」
マリアヴェルからすれば凉一は突然飛び出してきて撃たれ勝手に死にかけている人間の筈だろう。ほんの一時の間を置いて彼女は答える。
「……私を庇って死にかけている者を見棄てる様な事は出来ない…………それと……再会したキミに浅からぬ縁を感じたからだ」
そうは言ったもののマリアヴェルが凉一を見棄てられなかった理由はそれだけではない。その根底にあるのは幼い凉一に『命を賭してでもマリアヴェルを守れ』と暗示をかけたという罪悪感だった。
「縁、か……」
呟く凉一に後ろめたさを感じながらもマリアヴェルは話を続ける――。
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