117: ◆.g97gKoujg[sage saga]
2014/03/11(火) 00:22:06.41 ID:ZXlrLCyL0
「……すまない」
「ベルは悪くないよ……」
尚もうずくまったまま返事をする凉一に、マリアヴェルは何とも言えないような気分になる……が、更に語りかける。もはや同族である凉一が知っておかなくてはならない情報だ。
「昨晩、私を襲撃した二人組……奴等はハンターだ」
「…………」
マリアヴェルが【ハンター】と呼ぶ女の姿が凉一の脳裏にちらついた。
あの女が狩人ならば、マリアヴェルや茨木のような人外が獲物という事になるのだろう。
(……いや、今はボクも『獲物』側になっているのか)
明らかな殺意を孕んだ視線と銃口……昨日は無我夢中で飛び出してしまったが、あの視線を向けられて逃げ切れる自信が凉一には無い。
「解るとは思うがハンター達は我々を狩る為に執拗に追ってくる。あのキリコとかいう女が何らかの組織に属する狩人だとしたら尚更厄介だ」
「…………」
凉一にはそう説明したもののマリアヴェルはキリコ達がフリーランスのハンターだと確信していた。
「ハンターだけではない、我々のような者は他の妖物も引き寄せる場合も……いや、キミ自身が家族を襲う可能性だって……」
「ごめん……ちょっと一人にしてほしい」
凉一の静かながらも強めな主張にマリアヴェルはハッとした。彼の為を思っての忠告だったが少々熱が入りすぎて言葉が過ぎたのかもしれない……
マリアヴェルは凉一の意を汲んで自室へ向かうべく階段を降りていった。
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