123: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2014/04/05(土) 22:54:27.73 ID:ujHUU/pt0
道行くままに林道を五分程歩き続けると立ち並ぶ木々の向こうに瓦葺きの屋根らしき物が見えてきた。
更に進むと開けた場所に出て、その全容が明らかになる――
「うわぁ……」
豪奢な庭園の中で荘厳に佇む邸宅に、凉一は足を止め声にならない声を洩らしていた。マリアヴェルの屋敷も立派なものであったが、こちらの屋敷は輪を掛けて大きく豪華だ。
(あれ……もしかしてベルの家が離(はなれ)でこのお屋敷が母屋なのか……?)
屋敷の向かいにある重厚な土蔵門と高い塀を見て、凉一はマリアヴェルの邸宅と、この大屋敷は同じ敷地内にある事に気付く。
(それとも、こっちの屋敷もベルの……)
「お出掛けですかな?」
「……!?」
凉一は唐突に掛けられた声に吃驚してキョロキョロと辺りを見回すと、横手にある庭木の向こうから杖をついた老人が現れた。
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