27: ◆.g97gKoujg[saga]
2013/06/28(金) 23:39:35.81 ID:UC8JbPa20
『キリコ、キョーヘー、ケーサツに通報入たヨ』
キリコの耳に装着していたイヤホンから待機していた仲間からの通信が届いた。この場合は一分以内に退却、所定の合流地点へ向かう手筈になっている。
「ざっけんじゃねぇぞ」
当然、恭兵にも先程の通信が届いていたはずだが、苛立ちを見せる彼は茨木に向かって一歩踏み出していた。
「恭兵、潮時だよ」
フラストレーションが相当溜まっていたのか、彼はキリコの制止を聞き入れない。
「うっ……せぇぇぇーーーッ!!」
瞬間、足元のタイルを爆発したように跳ね上げて恭兵が超人的なスピードで茨木に迫る。
茨木の側頭部に渾身の一撃。常人なら頭蓋と頸椎を破壊する程の威力を持つ恭兵の拳だが、茨木は人間ではなかった。
「貴様、かすかに獣の臭いがするな……犬?いや狼か」
「黙りやがれッ!」
こめかみに血を滲ませただけで大したダメージを受けず、自分の素性に触れようとする茨木に恭兵の苛立ちは最高潮に達していた。
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