35: ◆.g97gKoujg[saga]
2013/06/30(日) 23:39:11.38 ID:mP8pxMhw0
キリコは恭兵の首筋に手を当て生きている事を確認した後、梱包用の拘束バンドを取り出した。
「ありがとよ、正直殺されるものだと思っていた」
恭兵の両手を後ろ手に縛り、同様に両足も縛りながらキリコは少女に礼を言った。
「……この地から去れ」
「そいつは無理だね。あんたに会っちまったんだ」
少女の勧告を受け入れず、意識を失ったままの恭兵を左肩に担いでキリコは少女に問いかけた。
「あたしゃキリコって呼ばれている。コイツは恭兵……あんたの名は?」
「……マリアヴェル」
返答を聞いたキリコは少女ーーマリアヴェルに向けて空いた右手の中指を上に突き立てた。
「マリアヴェルね……次に会った時には只じゃ置かなぇからな。覚えてろよ」
三下丸出しの台詞を吐いた後、キリコはショットガンを拾い恭兵と共に茂みの向こうへ消えていった。
「無粋で無礼な上に下品な奴」
キリコ達が去っていった茂みの方を眺めながらマリアヴェルは小さく呟いた。
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