64: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/11(木) 00:55:29.79 ID:4A3NuMMt0
「小僧……お前は鬼姫の私に命を救われたのだ。この借りは大きいぞ」
「えっ!?……う、うん」
「本当に解っているのか?私に借りをつくるという意味が」
不敵な笑みで執拗に怖がらせようとするマリアヴェルに、気圧されながらも少年は答える。
「じいちゃんが……こまった時にたすけてもらった『恩』をわすれるな。かえせる時になったら『恩返し』しなさいって……」
「ほう、恩返しか……小僧、私の眼を視ろ」
「?」
マリアヴェルは雪灰色の瞳に紅い光を灯して少年に暗示をかける。
「『お前の前で私が危機に陥った時、命を懸けて私を守れ』」
「……はい」
魔女に魅入られた少年は、魂の抜けたような表情で誓い、気を失う。
――どうせ二度と会う事はない。マリアヴェルはそう高を括って命じたその言葉は、少年の心の奥深くに刻み込まれた【呪い】となった。
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