82: ◆.g97gKoujg[saga sage]
2013/07/21(日) 23:39:01.18 ID:mUvYFLfw0
「で? これからはどうするんだよ?」
恭兵は気を取り直してこれからの方針をキリコに尋ねた。
「んー? そうさねえ……」
恭兵の応急処置を終えたキリコは顎に手を添えて考えている仕草をしている。
その様子をルームミラーで見ていたアムリタにはキリコが何を悩んでいるのか解らない。いつも通りに吸血鬼の寝ぐら捜しを始めるものだとばかり思っていたのだが、
「関係ねえガキ撃っちまったしなあ……」
マリアヴェルという吸血鬼を庇って散弾を受けた……おそらくは助からなかったであろう少年の姿をキリコは思い出していた。
「人を射たのか!?」
キリコの告白に、運転中のアムリタは思わず後部座席を振り返った。
「おい! 前見ろ! 前!!」
「おとと……!」
恭兵にわき見運転を注意されアムリタは慌ててハンドルを切った。ぶつかる寸前にガードレールをかわした車は大きく蛇行した。
「その前にあたしら見られたしなぁ……あの二人組、始末しとくんだったわ」
「おい!?」
『あの二人組』とは、愚かにも吸血鬼にちょっかいを出してキリコに追い払われたチンピラ達だ。見逃してやった時、キリコが自分に言った事と正反対の発言に恭兵はツッコミを入れた。
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