18: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/06/28(金) 21:11:19.00 ID:Q1r9Z1Na0
そう考えると、この状況は些か不安ではあるが、
私にとって自由を手に入れるための好機なのかもしれないと思えてきた。
何からも縛られることもなく、新たな時代に、自由に生きることのできるチャンスなのではないか。
19: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/06/28(金) 21:13:41.44 ID:Q1r9Z1Na0
棚に閉まってあった新品のシャツに袖を通し、
髪を整え、小物が詰まったスーツケースを抱えて、意気揚々と外とつながるドアの前に立った。
「この一歩は、世界にとって大きな一歩だが、私にとっては何て事のない一歩だ」
20: ◆WoKACJPFC.[sage saga]
2013/06/28(金) 21:16:21.59 ID:Q1r9Z1Na0
とりあえずここまで。少し時間を開けてもう少し書きます。
>>12 タンポポ娘面白いですよね。
21: ◆WoKACJPFC.[saga]
2013/06/28(金) 22:00:57.38 ID:mhLJutEo0
と思いましたが、今日はここまでにします。
ありがとうございました。
22: ◆WoKACJPFC.[saga]
2013/06/30(日) 01:06:21.29 ID:FTXTCDQr0
最初、私は世界の一面が血で染められているように見えた。
鮮やかで光を拡散するような鋭い色をした赤。
外につながるドアをゆっくりと開けた瞬間、私はつい顔の筋肉を強張らせた。
23: ◆WoKACJPFC.[saga saga]
2013/06/30(日) 01:08:56.75 ID:FTXTCDQr0
拓かれた平地に、等間隔に敷き詰められた郵便ポストは何処までも続いており、
右を見ても、左を見ても、それこそ墓地にある墓石のように並べられていた。
私は戦慄した。
24: ◆WoKACJPFC.[saga saga]
2013/06/30(日) 01:10:47.26 ID:FTXTCDQr0
私は、恐る恐る船から降り、一番近くにあるポストに向かった。
光沢のある表面に手を伸ばし静かに触れてみる。
25: ◆WoKACJPFC.[saga sage]
2013/06/30(日) 01:12:44.80 ID:FTXTCDQr0
私は、震える声でポストに話しかける。
『あなたは…生きているのでしょうか…?』
26: ◆WoKACJPFC.[saga ]
2013/06/30(日) 01:26:51.72 ID:FTXTCDQr0
ポストは、依然としてその立ち振る舞いを変えず、ただその場に存在するだけだった。
私は、もう一度ポストの表面に触れてみることにした。
暖かな血の流れが、たしかに感じられる。
27: ◆WoKACJPFC.[saga ]
2013/06/30(日) 01:31:20.79 ID:FTXTCDQr0
地面には薄黒い苔のような草が敷き詰められており、そこから無数のポストが生えている。
上を見上げると、そこは闇であった。
夜の持つ闇ではなく、何処までも深い井戸を見下ろしたような、筒抜けの空洞による闇であった。
28: ◆WoKACJPFC.[saga ]
2013/06/30(日) 01:32:58.55 ID:FTXTCDQr0
ここで、立ち止まっていてもどうしようもない。
私は、都会のビルのように立ち並ぶポストの間を歩き出した。
右を見ても、左を見ても、完璧に統一された赤いポストの集団がこちらを監視している。
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