過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/01(月) 00:08:25.40 ID:r5hJvj550
注 ネタバレ 捏造 if展開
初めは成り行きだった。
地下街のゴロツキとして、その日その日を貧しさに耐えつつ生を繋ぐ日々。達成感も生きている実感もない、空虚な毎日。
ただ胸の奥に沈む言葉にならない暗鬱とした思いを、暴力という形で発散して。
そんな時だった。
「君がこの辺で有名なゴロツキくんか。なるほど……凶暴そうだ。まるで人の形をした獣だ」
清潔な服装に身を包んだ、一目で立派な立場にあるだろう男に声をかけられた。
羨ましいと思った。
綺麗で清潔。それは求めてやまなかったが、貧しい己の身では到底届きはしないから。
「どうだろうか。その有り余った力を有効活用させてみないかい?」
警戒と不快感を示す自分に、その男は笑みすら浮かべて言ってきた。
「巨人殺し……我々、調査兵団は死をも恐れぬ人員を求めている」
巨人。人類の天敵。
ああ……こいつは税金食らいと市民から目の敵にされているヤツらか。俺は唇を歪めていった。
「風呂と……綺麗な服は着れるのか」
「それは君次第だ。君が噂に違わぬ者なら……君の望みは叶うだろう」
「そうか……いいぞ。巨人でも何でも殺してやる」
「いい返事だ。心臓を捧げる覚悟はあるな」
「お前にか」
「いいや俺じゃない。人類の為にだ」
「ご大層だな……欲しけりゃ捧げてやる。好きに持っていけ」
そんな出会いと共に、俺はエルヴィンと名乗る男に仕えることになった。
後悔は無かった。
どうせ死んだように毎日を生きていた。俺には――何も無かったのだから。この命以外には。
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