過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/01(月) 00:27:36.37 ID:r5hJvj550

それから一ヶ月。壁外遠征が決まった。

立体起動の方法はエルヴィンから教わっていた。初歩的な技術は習得していた。
体力や肉体面も問題はなかった。日々、生き残るという名目で鍛え上げていたから。
その実行日から三日前。
俺は初めて、エルヴィン以外の調査兵団の連中とご対面した。

「彼の名はリヴァイ。私が見つけてきた逸材だ。今回の遠征に参加して貰うことにした。皆も仲良くしてやってくれ」

調査兵団の宿舎に、壁外遠征に参加する人員達が集合する中でエルヴィンは言った。
俺は無言だった。
無言で……ザワザワと騒ぐヤツらを見る。どいつもこいつも当たり前だが俺に視線を集中させていた。
興味深そうだったり、値踏みするようだったり、中には不愉快そうな感情もあった。
後で聞いた話だったが、普通は訓練生から叩き上げられ、新兵としてこの場に紹介されるのが順当らしい。
その過程をすっ飛ばして、まるで特別扱いのように紹介されれば、確かに良い気分にはなるまい。俺は気にしながったが。

「何か彼に対して質問がある者はいるかね?」

エルヴィンも気にした風はなく、周囲の騒がしさとは対照的に冷静な口調で言った。
騒がしさはそれだけで静かになる。
エルヴィンはこいつらにかなり信用されているようだ。

「はっ!質問よろしいでしょうか!」

手を上げたのは……男か女か分からない容姿のヤツだった。
後に長い付き合いになる事になる……ハンジ・ゾエとはこの時知り合った。

「許可する。言ってみろ、ハンジ」

「彼は何者でしょうか。壁外遠征は大変危険です。毎回の犠牲者は五割を超しています。
 そんな中で何者かも分からない彼を、唐突に壁外調査に参加させる意味を教えてください。
 彼が巨人の餌になるだけでなく、我々にまで被害が及ぶ事を考えると、団長の指示とは言え首を縦に振りかねます」

周囲の奴らも同意するように頷いている。中には迷惑そうな視線を、あからさまに投げつけられた。
……これは新手の拷問か何かだろうか。間違いなく歓迎はされていなかったろう。
今まで他人と繋がった経験など皆無の俺でも、それぐらいは理解できた。



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