過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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213:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/05(月) 23:22:30.72 ID:onjTWGp30

「――――――」

驚きに思考が停止した獣の巨人が、本能によって動き出そうとする。
生の本能。即ち――この場から逃げる、という選択だ。足を大きく上げて、踏み出そうとした時――地面の下から爆発音が響き、地響きが襲い掛かった。
驚く猶予すら許されず巨人の体躯が、消失した地面から腰部分まで呑み込まれる。
何処にも逃がさない、とばかりに。

肉を調理する下拵えの第二段階が発動したのだ。

落とし穴。獣の巨人が立っていた地面が崩れ去ったのだ。その深さは約8メートルにまで及んでいる。
五年前から極秘に極秘を重ね、貴族や憲兵団はもちろん、壁を神と説くウォール教から邪魔になる存在全てに黙って、調査兵団が築いた罠。
四方10メートルの広さと、深さ約8メートルの穴を地下に築き、
来るべき時に、支柱となるべき箇所を特大の発破で一斉に爆発させることによって、落とし穴を起動させたのだ。時限式の盛大なトラップ。

この準備に五年。五年だ。
税金食らいと罵られながらも、支給される満足とは程遠い資金の一部を注ぎ込み。
本当に効果が発揮するのか。そもそも都合よく鎧の巨人や大物を誘い込む事が可能かも不明な罠の製作に、どれだけ兵士を犠牲にしてきたか。

それでも諦めなかった。
それでも挫けなかった。

故に今がある。故に――獣の巨人は捕らわれ、大部分の能力を拘束することを果たした。
絶対防御の体毛は失った。落とし穴により機動力を押さえ込んだ。そして――第三段階が開始する。下拵えを終えた肉を削ぐ最後の工程が。






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