過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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263:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/18(日) 23:10:16.89 ID:eFwyLQUp0

「……お邪魔するよ」

口数少なく、気配が隣に腰掛けてくる。音を立てないように、地面に腰を落として。
心得ているな、と唇が持ち上がった。
ここでうるさく喚かれていたら、おそらく本気で気分を害していた。それを察している辺り、こいつは心得ている。
それが心地良くも、むず痒い。

「……」

「……」

お互いに無言。まるで言葉なんか要らないとでも言わんばかりに。
俺は隣に座るヤツを盗み見た。
空気を読んでるにも関わらず、あえて空気をぶち壊すのに定評があるハンジが……大きな石碑に刻まれている同胞達の名に視線を飛ばしているのを。
その表情からは、何の感情も読み取れはしなかった。
俺もそれに倣い、大きな石碑に視線を戻す。

どれだけの時間をそうしていただろうか。
黙したままで、同胞達の名を刻んでいると、また気配が一つ増える。

その人物が誰かなど確認するまでも無い。
兵士長と分隊長が並んで地面に腰を落とし、ずっと無言のまま死者の名を刻む石碑を眺めている不気味な光景に。
物怖じせずに立ち寄ってくる人物など、この場では限られているのだから。

「まったく……風邪を引くぞ」

聴き親しんだ声の持ち主――エルヴィンはやはり音を立てないように静かに腰を落とす。
その手には一本の酒と、三つのグラスが。
どうやら……俺とハンジに気付いたヤツは、気を遣って用意してきたようだ。こいつも随分と甘い。



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