15: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:31:36.65 ID:bAq3pyUe0
きょうつうにんしき。なんだろう。難しい言葉だ。
幸せになるには、強さも弱さも必要だと彼女は言った。
まあ強さは分かる。でも、弱さは何で必要なんだろう。
16: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:32:15.38 ID:bAq3pyUe0
テストを返すぞ。七文字で人を地獄に突き落とす言葉である。
先に言い訳しておくが、僕は本当に真面目に勉強していた。
確かにゲームは好きだが、きちんと自習もしているのだ。
17: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:32:50.75 ID:bAq3pyUe0
そして四年生になる頃には、僕は彼らの同級生になっていた。
元々同級生ではあるが「そういう人がいる」という認識だ。
たまに声をかけられて、たまに無視されたりするくらいだ。
18: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:33:17.83 ID:bAq3pyUe0
「最近。僕は、変な夢ばかり見るんだ」
支離滅裂かもしれないけど。僕はそう前置きして言った。
彼女の読書趣味に合わせていたら身についた語彙である。
19: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:33:47.51 ID:bAq3pyUe0
「お金がなくたって、どうにかなる。僕みたいに。普通に生きてる」
「それに、顔は。顔より本質を理解してくれる人が現れる。らしい」
20: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:34:15.87 ID:bAq3pyUe0
「どうかな。僕は、思わないかな。これが最高だと思えるから」
「最低なのに、最高なんだ。ちょっと矛盾してるけど、これでいい」
21: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:34:51.13 ID:bAq3pyUe0
『ああ、お前には、友人なんていないんじゃないのか』
『そんなことねえよ。なんだって、そう言えるんだよ』
22: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:35:23.64 ID:bAq3pyUe0
また、僕は誰かの夢を見た。あの日からだ。
こんな選択をしたことがある。そう思ったときからだ。
何かにつけては僕の夢に現れて、勝手に去っていくんだ。
23: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:35:50.15 ID:bAq3pyUe0
「ダメよ。勝手に入って、絶対に怒られることになるのよ」
「でも、気になるとは思わないの?君も一緒に行かない?」
24: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:36:21.47 ID:bAq3pyUe0
「そりゃ、こんな貧乏で、あばずれの母親持って、あんたも嫌でしょ」
「あんた、言われてるでしょ。母親は、誰とでも寝てるんだぜ、とか」
25: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:36:48.64 ID:bAq3pyUe0
「他人の為にやり直せる人生か」
テレビもなんにもつけずに、僕は部屋の中でそう呟いてみた。
確かに今の僕は人に不幸だの親はどう言われようとも幸せだ。
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