8: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:25:41.12 ID:bAq3pyUe0
小さな街に小学校はいくつもなく、必然的に一箇所に集結するのである。
入学式の日も、僕は彼女と並んで最高の笑顔で写真を撮っていた。
この時だけに限って母はきちんとした礼装をしていたと思うのだ。
僕に気を使っていたかは定かでないが、恐らくそうであったと思う。
「ねえ。クラス分け、同じよ。まあ、そんな気はしてたけれど」
「よかった。君がいないと、僕は一人だ。寂しいのは嫌だから」
名字の違いでやはり真逆の位置に飛ばされた席順だったと覚えている。
もちろん僕も新しい友達を作ろうとしたが、どうにも上手くいかない。
友達百人は二回ほど桁の妥協を繰り返しやはり一人で落ち着いていた。
歌の通り百人友達を作ると一人はぶられる。それが僕である。
予測していた事だが女子の視線を奪ってしまうのは彼女だった。
ある人は「私より可愛いなんて」ある人は「綺麗な人だなあ」
羨望も嫌悪もひとまとめにした視線を受けるのは彼女である。
そして予知とも言えるだろうが、男子の目線も奪っていた。
「すげえかわいい」「ちょっと声かけてみようかな」だ。
しかし入学式を終えると、どうにも困ったことになった。
「ああ。どうして、一人で帰るの?一緒に帰りましょう」
162Res/110.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。