過去ログ - 1レスでアイマスSS
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4: ◆NbftaqZN9I[sage]
2013/07/06(土) 09:44:45.21 ID:p83n3lUe0
【お菓子作り】

「春香、言われた通りに作ってきたんだけど」

「あ、伊織。出来はどう?」

春香にお菓子作りを教えて貰って、自分の家で作ってきたのはいいけれど……
出来は何と言うか、その……

「ま、まぁ悪くないんじゃないかしら?」

「おっ?自信ありって感じだね。じゃあ早速……」

春香が私の手から箱を取って開封する。
目に飛び込んだその『お菓子』を見て、予想通り。

「……えーっと、クッキー……だよね?」

「……そうよ」

ええ。ええ。分かっていますとも。
私が持ってきたのが『クッキー』らしからぬ物だってことぐらい。
それでもそんなに微妙な反応をされるとちょっと傷つくじゃない……

「へ、へぇー……美味しそう……だね?」

「あんた、そんな事欠片ほども思ってないでしょ?」

「いやいや!そんな事ないよ?」

はぁ……下手なフォローって逆効果ね……
自信なくなってきたわ……

「た、食べるよ……?」

「……食べなさいよ」

なんでロシアンルーレットみたいな意気込みで食べようとしてるのよ。
そこまでヤバい物作ったりしないわよ。

「では……いただきますっ――!」

春香が『クッキー?』を口に含んで、もむもむと咀嚼する。
やがて嚥下し終わって、こちらを見据えると。

「――美味しい!何これ!?何でこんなに美味しいの!?」

「……あんたも大概失礼よね!」

「ああっ!ごめんね伊織?私もここまでとは思わなくて……」

「いいわよ……それで、春香としてはどんな感じなの?」

「そうだね……なんと言うか……」

こめかみに人差し指を突きたてて、小首を傾げながら考える春香。あざとい。
うんうん唸って出てきた言葉は。

「こう……『ヘコッ……』って感じかなぁ?」

「何それ……」

何とも微妙な評価。
まあでも、一応教えてくれたわけだし……

「まあ、お礼くらいは言ってあげるわ。その……ありがと」

「ふふ……どういたしまして」

「やけにお姉さんっぽいじゃない」

「いやいや、私お姉さんですよ?」

「そこはかとなくパチモン臭いわ」

「ひどーい!伊織だってクッキーとスコーンのパチモンみたいなやつ作った癖にー!」

「どっちがひどいのよ!」

なんて、ドタバタした事務所での一時が、なんだかんだ心地よかったから……ありがとね、春香。


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