過去ログ - 1レスでアイマスSS
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6: ◆NbftaqZN9I[sage]
2013/07/11(木) 08:17:14.17 ID:/SURKx3I0
【残業の味】

「ねーねーピヨちゃん」

「なあに?真美ちゃん」

今日も残業で一人寂しく過ごすのかな、と思っていたら
幸い?にも真美ちゃんが夜遅くに帰って来た。
これで寂しさからは解放されたんだけど……

「残業って楽しい?」

「……楽しそうに見える?」

真美ちゃん、こんな時間まで残ってても大丈夫なのかしら。
まあ、プロデューサーさんが後で送りにくるみたいだし、心配しなくていいのかも。

「んー……見えないね」

「それが普通なんだけどね。でも」

「でも?」

「皆の活躍してるからこそ残業するんだなって思うと、実はそう悪いものでもないのよ?」

「ふぅん?大人は分かりませんなー」

興味を失った真美ちゃんが給湯室に向かう。
まあ、私なんかと話してても楽しくないわよね。
世代も違うし。

「はぁ……続きやろう……」

キーボードを打つ無機質な音が事務所に響く。
誰も居ない訳でなくても、場所が離れていれば静かなものね。
不思議と、一人じゃない安心感はあるけれど。

「はいピヨちゃん」

「え?」

一人虚しくモニターに向かっていると、不意に真美ちゃんがカップを持ってきた。
黒い液体がゆらゆらと揺れている。

「コーヒーだよ。喉渇いたっしょ?」

「あ、ありがとう……」

嬉しいサプライズ。私に飽きちゃったんじゃなかったのね……
って、これは何だか違う気がするわ……
真美ちゃんが期待した目で見てくるので、コーヒーに口を付けてみる。

「……どお?」

「……美味しいわよ?」

実を言うと、かなり苦い。
所詮インスタントだし、真美ちゃんは多分淹れ慣れてないし。
けれど。

「うん、美味しい」

「そっかぁ……よかった」

何物にも代えられない味がして、自分で淹れたコーヒーの何倍も美味しい気がした。


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