28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/09(火) 23:02:32.00 ID:9ALPomJq0
「……はぁっ……はぁ…」
息を切らした少女が埃の溜まった地面に倒れこむ。
その足や背中には服を突き破った火傷の痕があり、その痛々さを強烈に物語っている。
「誰かぁ……助けてぇ……」
暗い路地に細く弱々しい少女の声が虚しく木霊する。
その涙混じりの声に反応するものは無く、少女自身の乱れた吐息音しか聞こえない。
「どうして……」
この道を使ってしまったのだろう。少女はそう痛感せずにはいられない。
人気のない道を使うことはダメだということは嫌というほど言われていたのに。
どうしてそれを守らなかったのだろう、ともう意味の無い後悔が脳全体を支配する。
そして、その後悔を恐怖で塗りつぶす背後から声が響き渡る。
「おーい、どこ行ったぁ。悪いようにしねぇから出ておいでぇ」
「激しくあそぼぉぜぇぇ」
「待ちきれねーからさぁぁ」
ゲラゲラと汚い笑い声と共にそんな声が複数聞こえてくる。
とても楽しそうに、とても愉快そうに。
192Res/127.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。