過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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171: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/07/15(月) 10:41:42.31 ID:rh9YQKQy0


「どうした幸子。緊張してるのか?」


彼女は口では答えず、ただ小さく頷いた。
俯いていたのと、舞台裏での薄暗さが彼女の今の表情を隠している為、どんな顔をしているのかはわからなかった。
しかし、肩が震えているのだけは見て取れた。


「緊張するな、というのは無理な話だと思う。だけど、何も心配する事は無いよ。
 お前なら、ちゃんと狙った順位に入れるから。私は、そう思ってる」


彼女の肩に手を置き、私は努めて優しく語りかける。
私の手に、彼女の震えが伝わってきた。
彼女が今どんな気持ちでこの場に立っているのかは、私の推し量れる枠を超えている。
私も、自分ですら言い表せない感情を抱いているのだから。


「あ、あの……――さん……」


絞り出すような声が、不安を吐露する声が、彼女の口から洩れていた。


「ん、何だい?」


私は腰をかがめ、彼女と目線が同じになるようにした。
そうして、ようやく彼女の表情が少しだけ見えた。
口を真一文字に結び、どうにか堪えているようなそんな表情だった。



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