過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/08/04(日) 22:19:20.14 ID:lgRE4mqd0
「……なぁ、幸子」
「……なんですか?」
「観覧車っていうのは……普通、お互い向かい合うようにして座るものだと思うが……」
幸子は帽子を脱いで私の腕を掴み、頭を私の身体に任せるようにして寄り添っていた。
観覧車という狭い密室で鮮やかな朱色の夕日に照らされながら、私達は密着していた。
「良いじゃないですか……こんなにカワイイボクと一緒に観覧車に乗れるという事自体が既に幸福だと言うのに、
何か不満があるんですか?」
「いやぁ……それは良いんだが……」
腕に抱きつかれ、年甲斐も無く、私の心臓は肺を押し込めようとしているのかと思うくらいに高鳴っていた。
「ボクは今機嫌が良いので、こうしてボクに肩を貸す事を特別に許してあげますよ」
「……そうか」
「光栄に思って下さいね? このボクをプロデュースできる上に、こうやって隣にいられるという事を」
幸子はそう言って、私の腕に頭を更にすり寄せてきた。
「……あぁ」
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