過去ログ - 神崎蘭子(24)「闇に飲まれよ!」
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2013/07/07(日) 20:59:41.35 ID:FhmYjF9Do
『ところで、ボク、最近、ようやく蘭子さんの発言がわかるようになりまして』
『お、さすがやな。この業界、蘭子ちゃんをさばければ司会も一人前言われてますからね』
『くくく。貴殿の<<瞳>>も開くときが来たか』
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2013/07/07(日) 21:00:43.15 ID:FhmYjF9Do
「変化というのは、あってしかるべきものなんじゃないだろうか?」
「はい?」
「お前が変わったように、蘭子も変化させてやるべきだったんじゃないか、とな」
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2013/07/07(日) 21:01:36.01 ID:FhmYjF9Do
「はあ……」
曖昧にうなずきながら、私は考えをまとめようとします。
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2013/07/07(日) 21:02:32.88 ID:FhmYjF9Do
それでも、プロデューサーさんは折れませんでした。
他の人間の気まぐれで、私たちが苦しむことが二度と起きないようにとがんばってくれたのです。
そうしてがんばって、事務所の経営が軌道に乗っているいまだからこそ、不安になったのでしょう。
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2013/07/07(日) 21:03:08.14 ID:FhmYjF9Do
「昔はどうでした?」
「そんなに落ち着いた静かな笑顔を浮かべることはなかったな。いや、当時の笑顔がかわいくなかったというわけじゃないぞ?」
慌てたように付け加えるのに一つ笑って、私はなおも問いかけます。
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2013/07/07(日) 21:03:46.88 ID:FhmYjF9Do
「ああ、そうそう。それに、あの頃は、ボクって言ってたろ、幸子」
「ええ、そうでしたね」
そこで私は立ち上がり、くるりと一回転して見せました。
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2013/07/07(日) 21:05:45.19 ID:FhmYjF9Do
私はにっこりと笑います。
私に合わせているのではなく、この人が本気で言ってくれているのがわかったから。
「でも、プロデューサーさんは、私が十四歳の頃……。ボクと言ってたころと変わった、と思ってるんですね?」
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2013/07/07(日) 21:06:25.76 ID:FhmYjF9Do
「プロデューサーさんはいまの私をカワイイと思いますよね?」
「ああ、綺麗だし、かわいいと思うよ。仕草やらも含めてな。それに外見だけじゃなくて、俺はお前の努力を知っている。その姿勢がなによりも……」
「褒めてくれるのは嬉しいですが、大事なのはここから先です」
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2013/07/07(日) 21:07:26.03 ID:FhmYjF9Do
「つまりですね、いま、こうして落ち着いて話すのが、一番私をカワイク見せられる。だから、そうしているってことですよ」
「なに?」
「ボクと言うよりも私と言うほうがいまの年齢ではイメージがいいでしょう?」
「そりゃそうかもしれんが……」
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2013/07/07(日) 21:08:23.20 ID:FhmYjF9Do
「ああ。俺はあの子が変わるきっかけを奪ってしまったんじゃないか」
「私の変化を見て、そう思ってきたと」
「ああ」
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