過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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234:戦士の世代 1/3(お題:一人の兵士、不感症、デパ地下) ◆d9gN98TTJY[sage]
2013/08/05(月) 21:25:56.17 ID:sokAIkud0

 製品の性能は上がった、
 だがそれが流通する経済の実態は、高度経済成長が終わり必要な物資がいきわたった
時の当時の誰もが薄々と感じていたであろう、崩壊の引き金として土建バブルが始まる
その心理的な要因でもある、社会に不足している産業構造の不在というプラザ合意当時
の経済そのままである。
 もう、新たな概念の産業が生まれて経済が一回り大きくなることはない。だから人口増
と消費増こそが、それに裏打ちされた禁断の果実である金融商品の額面価の上昇こそが、
経済なのだと誰もが思ってしまったあの頃と何も変わっていない。
 もし国家主導で経済を発展させようと思ったなら、ある一つのハードルさえクリアでき
れば、よほどの痴政で国が傾いていない限りは、容易に実行可能だろう。
 それは、鉄道網がなかったこの国に鉄道が引かれ、それを国中に伸ばす使命を帯びた
かつての国鉄であり。各過程に電話網を配備する使命を持ったかつての電電公社である。
また、市民側から生まれたかつての数多の電力会社のことである。
 今この現代に無く、未来に必要な産業構造を見い出せて、それに投資する余裕があり、
その利益が投資を上回ると言うのなら、いつでも経済回復は可能である。
 が、そんなものはない。
 プラザ合意の頃と一緒なのだ。
 誰かが生み出した産業構造の上っ面を変えて、顧客を奪い合うに終始する社会であり、
その社会に生きる限りはそれに終始せざるを得ない業を背負う。
 誰もが未来が欲しいと願う。
 だが、誰も未来を想像できない。
 それ以前から伝わっていた情報がより早く伝わることはイメージできても、今ある製品
の品質が向上することはイメージできても、生産、流通、消費を様変わりさせるような
存在が出てくるとは誰も考えない。
 電気に変わるエネルギーが生まれても、それは電力会社のパイを奪うだけに終わり、
経済的にはなにも前進しない。
 バブルの頃に誰もが夢想した、人の増加による経済成長という夢を信じさせる糧になる
だけに過ぎない。
 巷で騒がれている三本の矢。三本も必要などとは馬鹿らしい限りだ。
 最初の二本は、すでに日本を除く先進国の大半が実施して成果が出ている、やってて当然、
してなきゃ無能、一言ごねたらただのカス程度の、この地球経済上で生きて行こうと思った
ならごく当然の、ヒト科の生き物で言うなら直立二足歩行程度の処世術に過ぎない。
 それを成せなかった愚かしさに羞恥の念を覚えて、どこかで誰かが恥ずかしさのあまり
自ら命を絶っても別段驚くべきことではないくらいの世界レベルの白痴っぷりを晒していた
だけの話であり、本来はその二本すらいまさら放つものでもない。
 二本の矢が効果が出ているように見えるのは、それ以前がどうしようもなく腐ってマイナス
に突っ込んでいただけであり、決して経済成長を期待させるようなプラスの影響などは出て
いない。
 必要なのは三本目の矢であり、三本目の矢とはつまり先ほど挙げたような新たな経済概念の
創出であり、だからこそ三本目の矢は放たれない。
 1985年の9月22日以前より、そんなものは誰の心にも存在してはいないのだ。
 だから、彼らの未来である我々は彼らに向けて何も言えない。
 彼らがその命を賭して守り続けた経済成長は、それが崩壊する以前と同様に、次世代の心に
未来を残さなかったのだから。
 誰が言えよう。今なおもバブルの残滓を掻き集めて利益を享受している輩に対してなどでは
なく、かつての企業戦士達に。あの修羅道の如き人道を死する時まで歩き切った方々に。
 結局、その先に未来は無かったなどとは。




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