過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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965:私(お題:久方ぶり)3/7
2014/01/22(水) 15:03:08.88 ID:9MEAyqUio
「ま、忘れたほうがいいでしょ」
優子が言う。確かに忘れた方がいいのかもしれない。きっと恐ろしい記憶だろうから。
「ふたりともー次の授業始まるよー」
むこうから仁美の声がした
「やばいよ明美! 次音楽じゃん!」
「うん、急ごう!」
二人で走って教室に戻り、教科書とリコーダーを持って出た。優子が先を走るが、
「優子音楽室3階! 上だよ!」
「あ、ごめん!」
階段を降りようとした優子が慌ててUターンしてくる。まったく、彼女のほうが階段から
落ちそうだ。

「安達―」
あれから7日。特に後遺症らしいものも出てこず、私は毎日学校に来ていつもと変わらず
つまらない授業を受けている。今日は世界史のテスト返却だ。苗字が脇野だから当分呼ばれな
い私は先生の声がする中でグラウンドをぼーっと見ていた。やっていたのはマラソンの練習。
生徒たちはひたすらにグラウンドを回っていた。
 そこから少し目線を移動すると、仁美が水飲み場に座っているのが見えた。しかしあれは
……よく見ると携帯電話を耳にあてていた。
まさか電話してる? 確かに先生には見えない位置だけれど、いくらなんでも電話は見
つかった時大変じゃない?
 今のところ先生は何も気づかずにただマラソンをする生徒監視しているが、いつうしろ
を向いて仁美に気づくかわからない。そこまでしなきゃいけない用事があるの?
「―きのー」
もしかして家族に何かあって、それで特別の許可でももらってるのかな?
「わきのー」
でも緊急の連絡にしては長い。それにもし命にかかわる病気ならいますぐ電話なんか切っ
て病院へ行かないと……。
「脇野!」


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