過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」短編集
1- 20
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/13(土) 19:12:14.22 ID:OcKQEmd6o
がたんごとん、と電車が揺れる。
同時に、腕の中と、肩にかかる重みも。

恵美「うう……」

腕の中にはまたもおねむのアラス・ラムス、そして右肩には、眠ってしまった貞夫の顔が乗っている。
……家で寝ているときにもこれくらい密着しているのだが、外だとまた別の恥ずかしさがあるものだ。
夕方で良かった、と思う。赤くなった顔が少しは誤魔化せているだろうから。

老婆「ご家族でお出かけですか?」

恵美「え?」

横を見れば、貞夫の反対側のおばあさんが声をかけてきていた。

恵美「え、ええ」

おばあさんはにっこりと笑った。

老婆「仲のいいご夫婦ですね」

恵美「……はい。そうなんです」

貞夫が寝ているから言えたのだろうその返答に、おばあさんは微笑ましそうに再び笑った。

腕と肩の重みが、これ以上ない幸せの証に感じた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
42Res/38.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice