過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」短編集
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/13(土) 19:15:37.62 ID:OcKQEmd6o
芦屋「……呼び名と言えば。貴様は私やルシフェルを日本の名で呼ぶのだな、エミリア」

恵美「え? ああ、そうね、意識してなかったけど……」

ベルについては魔王城の面子と離れた「エンテ・イスラから来た人間」という意識が強いのだが、芦屋や漆原は……

恵美「彼を"真奥貞夫"って呼ぶから、その部下のあなた達もそう呼ぶ……のかな?」

芦屋「そういうものか」

恵美「そういうものかもね」

貞夫との付き合いが深まった今でも、私の中で"魔王サタン"への負の想いが完全に消え去ったわけでもない。
考えてやっていたことではないが、呼び名でそこの切り替えをしているのかもしれない。

恵美「そういや、この子にはお菓子買ってくれるのね。漆原には渋るのに」

恵美「ああそうだ、アラス・ラムス、ちゃんとお礼言った?」

アラス・ラムス「あるしぇーる、ありがとー」

芦屋「ああ」

私と芦屋が持っている荷物は全て魔王城の買い物であり、そのついでに魔王城の財布でお菓子も買ってくれたのだ。
あまり甘やかされても母親として困るが、お義母さんも息子が家に帰ることが少なくなり寂しいのだろう、
こうして一緒に過ごすときには素直に甘えることにしていた。
見上げて礼を言うアラス・ラムスの頭を再び撫でてから彼が言う。

芦屋「侮るな。我が家の家計に余裕はないが、子供に菓子一つ与えてやれないほど逼迫もしていない」

芦屋「立派な大人でありながら家事も仕事もしない、礼すら言わない穀潰しに与えてやる温情がないだけだ」

散々な言われようだが、実際漆原の家庭への貢献度は、食事のあと食器を片付けるアラス・ラムス以下である。
最近ようやくこの子と比較されることに辛さを感じたか、シンクに食器を運ぶことを覚えたらしい。


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