4: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:46:03.36 ID:ATs0awmn0
「はあ………」
なんだろう。嫌な予感がする。この人とはあまり関わり合いにならない方がいいかもしれない。
見たところ、こんな髪の色を染めただけで即不良扱いされるような田舎町では、下手したら姿を見られただけで警察に通報されるんじゃないかと思うほど派手な格好をしてるから、この近くの人じゃないんだろうけど。
5: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:47:04.46 ID:ATs0awmn0
「えっと、僕もちょうどそこに行く途中なんでそれはいいんですけど、そこに何しに行くんですか?」
初対面で厚かましい人だなと思いつつ、僕は男に聞いた。
「ああ。俺は今全国を旅してるんだけどさ、しばらくここら辺にいようと思ってんだ。んで、だからここら辺で拠点に出来そうな場所を探してたんだ」
6: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:48:30.16 ID:ATs0awmn0
「そうですか。じゃあ、えっと、ここから少し距離がありますけど………」
「そっか。なら歩いて行こうぜ。野郎同士で自転車の二人乗りなんて勘弁だしな」
「…………………」
7: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:49:35.91 ID:ATs0awmn0
「零崎さんは、なんで全国を旅なんてしているんですか?」
学習塾跡へと向かう道中、僕は零崎さんに質問した。
聞けば零崎さんの年齢は、二十歳やそこらだと言う。
8: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:50:33.72 ID:ATs0awmn0
「自分探し、ですか」
「ああ。自分がなんの為に生まれてきたのかとか、なんの為に生きてるのかとか、そもそも生きてるってなんのかとか、あんただって、ちょっとは考えたことあんだろ?」
「そりゃまあ、生きてるってなんなのかっていうのは、わりとよく考えますけど」
9: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:51:31.00 ID:ATs0awmn0
「それで、答は見つかりましたか?」
「あ?いや、全然全く見つからねえな。かはは。人生を説いてもらうつもりはねえとは言ったが、だからと言って人生に迷い無しってわけにもいかねえな」
「………そうですか」
10: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:53:17.73 ID:ATs0awmn0
「………見えねえんだが」
「え?」
見えない?どういう事だ?
11: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:54:33.16 ID:ATs0awmn0
会って十分足らずの人を怒らせてしまった。
僕って、そんなに考えている事が顔に出やすいのだろうか?
なんにせよ、反省しなければ。
12: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:55:39.94 ID:ATs0awmn0
「はい、そうです。えっと、僕は元々ここに居る奴。忍野っていうんですけど、そいつ会いに行くんで」
「そうか。じゃあ俺も行くわ。一応、挨拶みたいな事もしときたいし」
「わかりました。じゃあ行きましょう。結構ボロボロなんで、足下とか気を付けてくださいね」
13: ◆m7QL2KBO9Y[saga]
2013/07/13(土) 22:56:51.34 ID:ATs0awmn0
「待ちかねたよ、阿良々木くん」
教室に入った矢先に、いつものように見透かしたようなことを言って、忍野は僕達を迎えた。
「おや、今日は女の子じゃなくて、男の人を連れているんだね。もしかして、阿良々木くんにはそういう趣味があるのかな?」
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