過去ログ - 薫「魔法少女?」まどか「超能力者?」
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38:EPA「キャッツ オン ザ ストリート」8 ◆X/Lv.1Xswo[saga]
2013/07/15(月) 22:16:15.16 ID:hZXSI6CE0


化物のボスを倒すと、あたりの空間は元に戻っていた。

(エスパー本人は見当たらなかったわね……)

ユーリは首を傾げつつあたりを見回す。

「ユーリ様」

ナイがそう言って、路地の端を指差した。

そこには二人の人間の無残な死体と、その傍らで泣き声も出さずにうつむいている
10歳にもならない幼い少女がいた。

「この人たちもさっきのに巻き込まれたのね」

静かに、ユーリはその少女を見下ろした。

すると、その少女のおでこに火傷の跡があることに気付く。

「……これは、さっきの化物じゃないわね。誰にやられたの?」

自分たちを襲った敵のヒントにならないかと思い、ユーリは少女に聞いた。

少女は黙ったまま、無残な死体に目線を向けた。

「あなたの、お父さんとお母さんが?」

ユーリが再び問うと、少女はこくりとうなずく。

それと同時に、ユーリの脳内にイメージが入ってくる。

わが子を不気味がり遠ざける母親、『父親』はどうやら子供の父親ではなく
再婚相手かただの同棲なのだろう、露骨に「不気味なガキだ」と罵っている。

そして、タバコの火を押し付け――

(今のは……テレパシー? この子、微弱なテレパス(精神感応能力者)だわ)

ユーリはその少女を見つめた。

もともと問題のある家庭ではあったように思えるが、虐待の直接的原因は
この子自身の超能力だろう。

だとすれば、どこかの孤児院などに預けてもおそらくまた同じことが起こるだろう。

まともな学校でもエスパー児童への対応は十分とはいえない。

ましてや貧しい孤児院などがエスパー児童への対応できているはずがない。

この子はどこへ行っても、虐待を受けるか死ぬかしか選べないだろう。

「……哀れなものね」


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