過去ログ - ゲームは一日一時間
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11: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:19:24.04 ID:EnRHzSex0

僕が帰り道で抱いていた淡い期待は、母の厳しい声によって砕かれた。

帰ってくるなり、僕の言葉を待つ事もなく、激しく批難されていた。
玄関で立ち尽くしている僕に同情したのか、父が母を止めに入った。
「コーヒー」と僕は父に対し、かろうじて声を絞り、部屋に戻った。

どうして。どうして、こんなことになってしまったんだろう。

帰ってくれば、母が僕を「心配していたのよ」と言ってくれるはずだった。
僕は「ごめんなさい。さっきは、酷い事を言った」と謝罪するはずだった。
ぎこちないながらも、日々の中で、それは解消されていくはずだったのに。

僕は着替えもせずに身体をベッドに投げ出し、携帯の充電をはじめた。

充電開始と共に、僕は噂の「幸せを運ぶ不幸のメール」とやらを見ていた。
「あなたは 幸せ ですか?」その無機質な十文字は僕に選択を迫っていた。
僕は。僕は、本当に幸せなのか?先ほどの自省はどこかへ消えてしまった。


あなたは 幸せ ですか?

 ○はい ○いいえ


そう。このメールは、幸せを運ぶ。そして、不幸を感じた人のもとへ届く。
つまり、僕は、不幸なのだ。それならば、僕を幸せにしてほしい。だから。


あなたは 幸せ ですか?

 ○はい ●いいえ


「いいえ」を選択し、最後に小さく溜息をつき、僕は送信ボタンを押した。




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